マアディ文化(読み)マアディぶんか

改訂新版 世界大百科事典 「マアディ文化」の意味・わかりやすい解説

マアディ文化 (マアディぶんか)

前4千年紀末のエジプト先王朝期の文化。下エジプトの先王朝最後の文化で,第1王朝直前にあたる。カイロの南郊約15kmにあるナイル川東岸のマアディal-Maadiを標準遺跡とする。1930年代にO.メンギンらによって発掘された。貯蔵穴をもつ住居址が発見されているが,墓域は明らかにされていない。スレート製パレット,彩文土器,波状把手付土器など,上エジプトのゲルゼ文化(ナカーダⅡ文化)のものとよく似た内容をもつ遺物も多く発見されている。玄武岩やアラバスター製の台付きの石製容器などは,この文化が,パレスティナ方面との文化的交流があったことを裏づけている。パレスティナに起源をもつ波状把手付土器も,あるいはこの地を経由して上エジプト地方へもたらされたのかもしれない。先行するメリムデ文化や,ほぼ同時代の上エジプトのゲルゼ文化との関連については,今のところ明らかでない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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