旺文社世界史事典 三訂版 「マオリ人」の解説
マオリ人
マオリじん
Maori
現在ニュージーランド総人口の1割強を占める。1840年にマオリ人の首長たちはイギリス政府とワイタンギ条約を結び,ニュージーランドはイギリスの植民地となった。以後マオリ人は,病気による人口減少や土地収奪による弾圧にあいながら,20世紀半ばまではマオリ語の禁止などの形で伝統文化をも抑圧されてきた。20世紀後半には,政府の多文化主義政策に対して先住民族としての独自性をアピールする運動が高まり,マオリ語など伝統文化の学校教育での復活が実現した。また,ワイタンギ条約のマオリ語版の「マオリの伝統的な権利は保障される」との条文を根拠に,マオリ人の正当な土地権,漁業権の回復をめぐる訴訟が起こり,白人との対等な関係を求める運動が広がっている。
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