ワイタンギ条約(読み)ワイタンギじょうやく(英語表記)Treaty of Waitangi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワイタンギ条約」の意味・わかりやすい解説

ワイタンギ条約
ワイタンギじょうやく
Treaty of Waitangi

1840年2月6日,ニュージーランド北島のマオリ族イギリス政府の間に結ばれた歴史的条約。この条約によりニュージーランドはイギリスの植民地となった。条約には,(1) マオリ族はイギリス国王主権を譲渡する,(2) イギリス国王はマオリ族の権利を保護し,土地の売買は国王との間でのみ認められる,(3) マオリ族はイギリス国民のもつすべての権利を享受する,の3項目が定められた。しかし実際には政府は資金に乏しく,安く買上げた土地を高く入植者に売りつけたため,マオリ族と入植者の不満が高まり,さらに急増する土地需要に対しマオリ族が売惜しみするようになると,両者対立は一層深まり,44~47年のアイランズ湾戦争,1860年代のマオリ戦争となった。 62年先住民土地法が成立し,土地の個人売買が認められると,ワイタンギ条約は消滅した。

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