日本大百科全書(ニッポニカ) 「マジディ」の意味・わかりやすい解説
マジディ
まじでぃ
Majid Majidi
(1959― )
イランの映画監督。4月17日、テヘランの生まれ。イラン革命後に映画界に入り、俳優としてモフセン・マフマルバフMohsen Makhmalbaf(1957― )監督の『ボイコット』(1985)などに出演したのち、自らの脚本による『バダック 砂漠の少年』(1992)で監督デビュー。第2作『運動靴と赤い金魚』(1997)でモントリオール世界映画祭の最優秀作品賞を受賞。本作は日本でも公開され、マジディはイラン映画の新星、とくに児童映画の名手として広く認知されるようになった。続く『太陽は、ぼくの瞳』(1999)と『少女の髪どめ』(2001)も連続して同映画祭の最優秀作品賞を受賞し、計3回の受賞となった。アフガニスタン紛争を取材した『裸足でヘラートまで』(2002)などのドキュメンタリー作品も手がけている。他の作品に『柳の木のように』(2005)、『すずめの唄』(2008)などがある。マジディ作品の多くはアジアフォーカス・福岡国際映画祭で紹介されている。
[石坂健治]
資料 監督作品一覧
バダック 砂漠の少年 Baduk(1992)
父 Pedar(1996)
運動靴と赤い金魚 Bacheha-ye aseman(1997)
太陽は、ぼくの瞳 Rang-e Khoda(1999)
少女の髪どめ Baran(2001)
裸足でヘラートまで Pa berahneh ta Herat(2002)
柳の木のように Beed-e majnoon(2005)
すずめの唄 Avaze Gonjeshk-ha(2008)
『『イラン映画をみに行こう』(2002・ブルース・インターアクションズ)』