日本大百科全書(ニッポニカ) 「マスティ」の意味・わかりやすい解説
マスティ
ますてぃ
Abraham Johannes Muste
(1885―1967)
アメリカの反戦運動家。オランダのジェリクゼーに生まれる。6歳からアメリカで生活し、大学でプラグマティズム哲学の影響を受けた。第一次世界大戦では反戦平和を主張してアメリカの参戦に反対した。その後労働運動へと進み、一時期トロツキズムの思想に共感した。第二次世界大戦前後からガンディーの非暴力直接行動に共鳴し、反戦運動、原水爆反対運動、公民権運動などに取り組んだ。ベトナム戦争はマスティの名を有名にし、1966年サイゴンでアメリカ軍と南ベトナム政府軍に抗議するための座り込みを行い、身柄を拘束された。ベトナムから追放される途中日本にも立ち寄り、ベ平連のベトナム反戦デモに参加した。彼の反戦思想は「革命的平和主義」とよばれることがある。
[河内信幸]
[参照項目] |