改訂新版 世界大百科事典 の解説
マッキム・ミード・アンド・ホワイト
McKim, Mead and White
19世紀末のアメリカで最も影響力のあった建築事務所。1879年,マッキムCharles Follen McKim(1847-1909),ミードWilliam Rutherford Mead(1846-1928),ホワイトStanford White(1853-1906)により結成される。繁栄期に入り自立を意識しはじめ,古典主義を好んだアメリカ建築界にあって,時流に乗りながら住宅建築に自由な平面プランを導入し,公共・商業建築には洗練された様式装飾をほどこし,大きな指導力を発揮する。最盛期(1879-1910)に大小785点に及ぶ作品を設計できたのは,慎重なマッキム,情熱的なミード,ユーモアに富むホワイトのコンビのよさと,好景気,そして西欧建築を彼らなりに自由に解釈しアメリカに適応させた点にある。代表作は,ロー邸(1887),ボストン公共図書館(1898),コロンビア大学(1902),ニューヨークのペンシルベニア駅(1911)など。
執筆者:山口 廣
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報