日本大百科全書(ニッポニカ) 「コロンビア大学」の意味・わかりやすい解説
コロンビア大学
ころんびあだいがく
Columbia University in the City of New York
アメリカ合衆国ニューヨーク市にある私立大学で、東部の名門校アイビー・リーグ校の一つ。1754年、イギリス国王ジョージ2世の勅許状によってキングズ・カレッジKing's Collegeの名で、アメリカ植民地時代の5番目に創設された大学である。1784年州法によりコロンビア・カレッジと改称されたが、1896年、法学、工学、医学のプロフェッショナル・スクールや大学院の設置とともに、コロンビア・ユニバーシティと称するようになった。現在も学部課程のコロンビア・カレッジは一般教育の開拓者的存在で、その「現代文明論」や「人文学」の教養カリキュラムはとくに著名である。1991年に設置された文理学部では、21歳以上の成人を対象とした一般教養部School of General Studiesを含め、コロンビア・カレッジ、学術系大学院、国際関係学ならびに芸術学の大学院のカリキュラム調整と統轄を行う。大学院レベルでは、建築学、法律学、経営学、ジャーナリズム、社会事業学、医学などのプロフェッショナル・スクールならびに学術系大学院をもつ。ほかに提携学部として、女子だけのバーナード・カレッジ、教員養成大学であるティーチャーズ・カレッジTeachers Collegeなどがある。学生数は2万3650人(2003)だが、学部教育の中心であるコロンビア・カレッジの学生数はアイビー・リーグのなかでもっとも少ない4170人にすぎず、大学院レベルの学生が圧倒的に大きい比重を占める都市型総合大学である。2003年現在、常勤教員数3224人。
[喜多村和之・杉谷祐美子]
『コロンビア大学紛争事実調査委員会編『コロンビア大学の危機 コックス・レポート』(1970・東京大学出版会)』