マツハバチ(読み)まつはばち(英語表記)conifer sawfly

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マツハバチ」の意味・わかりやすい解説

マツハバチ
まつはばち / 松葉蜂
conifer sawfly

昆虫綱膜翅(まくし)目広腰亜目マツハバチ科Diprionidaeの総称。体長10ミリメートル前後のずんぐりしたあまり大きくないハバチで、雄の触角がガの触角のように羽状であることが特徴。幼虫はすべて針葉樹を食い、しばしば大発生をして大害を与える。1年1世代のものから3世代のものまである。日本ではマツ類にマツノキハバチマツノミドリハバチカラマツまたはアカマツマツノクロホシハバチが、毎年どこかで発生している。繭は褐色のきれいな俵形で、越冬世代のものは地表に、越冬しない世代のものは樹上につくる。世界に約100種が記録されており、北半球に分布している。日本には6属15種が記録されているが、あと10種くらい産するようである。

[奥谷禎一]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のマツハバチの言及

【ハバチ(葉蜂)】より

…幼虫が食葉性であるため,農林業や園芸上,有害な種類が多い。カラマツの葉を食害するカラマツハラアカハバチやカラマツアカハバチ,マツ類を加害するマツノミドリハバチ(イラスト)などのマツハバチ科のハチ類,ハクサイなどを食害するカブラハバチ(イラスト),ダイズを加害するダイズハバチなどをあげることができよう。アメリカでは,サツマイモを加害するサツマイモハバチが知られているが,スベリヒユハバチを利用して,畑地害草のスベリヒユの防除に成功したという報告もある。…

※「マツハバチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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