飲み物がわかる辞典 「マデイラワイン」の解説
マデイラワイン【Madeira wine】
アフリカ北西岸沖にあるポルトガル領マデイラ島に産する酒精強化ワイン。ブランデーを加えるタイミングが早ければ、まだアルコール発酵していない糖分が多く残った状態で発酵が止まるため甘口に、タイミングが後になるほど糖分の発酵が進み辛口になる。ブランデー添加後、独特の方法で熟成を行う。一般的なものは、容器の中に管が通っていて湯を循環させて加熱する「エストゥファ」と呼ばれる装置に入れ、45~50度程度で3ヵ月以上、高級品やビンテージものは、太陽熱を利用して30度程度に保たれた「カンテイロ」と呼ばれる貯蔵庫で、最短でも3年以上、場合によっては100年以上にもなる非常に長い期間、加熱熟成を行う。この工程により、独特の芳醇な香りとこくが生まれる。また、保存性がきわめて高く、開栓しても劣化が少ない。セルシアル(辛口)、ベルデーリョ(中辛口)、マルバジア(甘口)などの種類がある。辛口は食前酒に、甘口はデザートワインとして用いるほか、西洋料理では調味料としても欠かせない。アルコール度数は20度前後。◇「マデイラ酒」ともいう。