精選版 日本国語大辞典 「甘口」の意味・読み・例文・類語
あま‐くち【甘口】
〘名〙 (「あまぐち」とも)
※俳諧・見花数寄(1679)「霧はにこせと又京の水 菊の露甘口から口とりどりに〈元順〉」
② 甘い味のものを好むこと。また、その人。下戸(げこ)。甘党。
※談義本・当風辻談義(1753)五「教も段々、甘口(アマクチ)を好(このむ)があれば、ぴんとしたを望もあり」
※歌舞伎・戻橋脊御摂(1813)三立「へへ、甘口(アマグチ)にも並べたな」
④ (形動) 優しい言葉。穏やかな口ぶり。
※歌舞伎・助六廓夜桜(1779)「おきゃあがれ、おれがさっきから甘口に言やあ付き上がりがして」
⑤ (形動) 状態がごくありふれていること。態度などが手ぬるいこと。また、そのさま。
⑥ (形動) 間が抜けていること。思慮の浅はかなこと。また、そのさま。お人よし。愚鈍。
※浮世草子・諸道聴耳世間猿(1766)五「越中屋善次郎とて、ちとあま口な男なれば」
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