熟成(読み)じゅくせい

日本大百科全書(ニッポニカ)「熟成」の解説

熟成
じゅくせい

自然に含まれる酵素、あるいは細菌の酵素などを利用して、食品にうま味や風味を出す、柔らかくするなど、品質を向上させるための工程をいう。熟成させることを「ねかす」ともいう。英語では一般にエイジングagingという。食品中にはタンパク質、脂質、繊維、糖質などが含まれるが、これらが酵素により、ゆっくりと変化し、各種の味や香りの成分を出し、組織を軟化させるなどする。熟成はゆっくり行わせるほうが、風味のよい食品ができあがる。そのため、低温にする、食塩やアルコールを加える、といったことも行う。また、発酵製品では、主発酵が終わったのち、さらに静置して味をならすのも熟成という。清酒、ビール、ワイン、みそ、しょうゆ、酢、チーズ、塩辛のような発酵品、ウイスキー、ブランデーのような蒸留酒、こねた小粉の生地(きじ)、食肉など、多くのものにこの熟成の工程がとられ、品質の向上が図られる。

河野友美・山口米子]

『佐藤信監修『食品の熟成』(1984・光琳)』

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精選版 日本国語大辞典「熟成」の解説

じゅく‐せい【熟成】

〘名〙
① 十分にでき上がること。また、機会が熟すること。成熟
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉三「十月より十一月初めまでに、麦を播き翌年の七八月に至て熟成す」
化学物質、配合原料、中間的な半製品などが、特定条件のもとで内部から自然に化学反応を進め、必要とする物理的または化学的性質を獲得していくこと。食品工業、窯業肥料工業、ビスコース工業などでいう。
③ 動物体の蛋白質脂肪グリコーゲンなどが、酵素や微生物作用により、腐敗せずに適度に分解され、特殊な香味を発すること。なれ。

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デジタル大辞泉「熟成」の解説

じゅく‐せい【熟成】

[名](スル)
成熟して十分なころあいに達すること。「機運が熟成する」
魚肉・獣肉などが酵素の作用により分解され、特殊な風味・うまみが出ること。発酵を終えたあとそのままにし、さらに味をならすこともある。なれ。「味噌が熟成する」
物質を適当な温度などの条件のもとに長時間置いて、ゆっくりと化学変化を起こさせること。
[類語]れるれる熟む熟する成熟未熟不熟早熟晩熟追熟黄熟豊熟完熟爛熟

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