マラセチア毛包炎(読み)マラセチアモウホウエン(その他表記)Malassezia folliculitis

デジタル大辞泉 「マラセチア毛包炎」の意味・読み・例文・類語

マラセチア‐もうほうえん〔‐モウハウエン〕【マラセチア毛包炎】

マラセチアという真菌毛包内で増殖することによって起こる皮膚病気背中上部胸部・上腕・肩などの毛包に赤いにきびのような丘疹ができる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

六訂版 家庭医学大全科 「マラセチア毛包炎」の解説

マラセチア毛包炎
マラセチアもうほうえん
Malassezia folliculitis
(皮膚の病気)

どんな病気か

 皮膚の常在菌である癜風菌(でんぷうきん)(マラセチア・ファーファー)が、胞子の形のままで毛包内で増殖するために生じる病気です。

 高温多湿、多汗、不潔などの環境および皮膚の問題が関係し、光に当たったあとに生じることもあります。

症状の現れ方

 男女差はなく、青年や中年に多くみられます。好発部位は胸部、背部、肩、上腕などで、毛包のところに小さい比較的均一な紅色丘疹や小膿疱(しょうのうほう)がくっつき合うことなく多発します。かゆみは軽度のことが多いようです。

検査と診断

 丘疹(きゅうしん)膿疱の内容物を癜風と同様に顕微鏡で観察すると、多数の円形の胞子を認めます。ズームブルーを用いると菌が染色され有用です。

治療の方法

 癜風菌に抗菌力のある外用薬(主にイミダゾール系)を用います。治りにくい場合にはイトラコナゾール(イトリゾール)を内服します。また清潔、洗浄、乾燥などのスキンケアも重要です。

病気に気づいたらどうする

 いわゆるにきび尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう))との区別が重要です。体幹の治りにくいにきびは本症の可能性があるので、皮膚科専門医を受診してください。

加藤 卓朗

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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