マルチナロービーム測深機(読み)マルチナロービームそくしんき(その他表記)multi-narrow-beam echo sounder

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

マルチナロービーム測深機
マルチナロービームそくしんき
multi-narrow-beam echo sounder

指向角の狭い音波ビームを 16~60の発射源から同時に船の進路の左右に斜めに発射して測深を行う装置。通常の測深機では船の直下に音波ビームを発射するために,直下の一点しか測深できないが,マルチナロービーム測深機では,船の左右の海底地形を短時間に正確に知ることができる。測深範囲はビームの発射角度によるが,最近では水深の約4分の3の幅の領域の地形を計測できる。米海軍により開発されたが,ゼネラル・インスツルメント社からシービームという名称で発売されるようになった。最初に民間で使用したのはフランスの海洋調査船「ジャンシャルコー」号であった。日本では海上保安庁水路部の「拓洋」が初めて採用した。

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