ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミカエル7世」の意味・わかりやすい解説
ミカエル7世
ミカエルななせい
Michael VII Ducas
[没]1078. コンスタンチノープル
ビザンチン皇帝 (在位 1071~78) 。コンスタンチヌス 10世の長男。皇太后と結婚していた軍司令官出身の皇帝ロマヌス4世がマンジケルトの戦いに敗れ,トルコ軍の捕虜になったあと,即位。 1071年バリ島がノルマン軍に占領され,東西両教会統一を条件に教皇グレゴリウス7世に援助を求めたが,実現しなかった。クロアチアのデメトリウス・ズボニミール王,ツェタ侯国のミカエル王はローマ教皇より王の称号を受け (76~77) ,ビザンチン勢力から独立。ペチェネグ,ハンガリーの侵入もあり,バルカン半島は政情不安定となった。ニケフォリツェス宰相は穀物販売業を国営化したため物価上昇を招き,内政不安により,帝位をねらう反乱が続発。そのうちの一人で小アジアの軍司令官ニケフォルス・ボタニアテスが首都コンスタンチノープル入城を果したため,78年3月退位,スツディウス修道院に入った。
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