ミクログラフィア(英語表記)Micrographia

デジタル大辞泉 「ミクログラフィア」の意味・読み・例文・類語

ミクログラフィア(Micrographia)

フックの著した図鑑。1665年刊。自作顕微鏡で、ノミシラミなどの昆虫コケカビなど、動植物および無機物微細構造を観察して描いたもの。顕微鏡図譜

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のミクログラフィアの言及

【顕微鏡】より

…そのなかで際だった成果はイギリスのR.フックによる細胞の発見であった。彼はコルクの薄片や木炭の断面を観察して,そこに細胞を発見し,詳細な描写を《ミクログラフィアMicrographia or Physiological description of Minute Bodies》という書物にして,公表した(1665)。しかしフックの意図は,コルクや木炭の細胞的構成によって,コルクが軽く弾性に富みじょうぶであるわけや,また木炭の断面の黒く輝く理由を説明しようとすることにあり,生物学的関心とは隔たっていた。…

【フック】より

…科学器具の考案,製作に関し特にすぐれた才能を示し,風力計,自記雨量計などの定量的な気象観測器具の製作,反射望遠鏡,四分儀などの天文観測用具,時計,屈折計,クロノメーターの改良など,フックの名に帰せられるものは多い。また顕微鏡を用いての感覚の拡大をうたった主著《ミクログラフィアMicrographia》(1665)には動植物の微細構造が多数載せられ,なかでも,はじめて〈cell(細胞)〉の語で表されたコルクの図は有名だが,このほかにも雲母片などの薄膜の間の色のスペクトルの周期性の指摘,過去の生物の遺骸としての化石の理解,ミョウバン,岩塩の結晶構造の説明など科学史上興味深い内容が多く含まれている。さらに呼吸と燃焼に関する実験,二重星の最初の記録(1665),ばね(弾性体)の応力とひずみに関する〈フックの法則〉の発表(1678)など自然科学のほとんどあらゆる分野にわたる業績を残したが,ローヤル・ソサエティ書記オルデンブルクHenry Oldenburg(1618ころ‐77)との確執,万有引力の法則をめぐってのI.ニュートンとの優先権争いに加えて,生来虚弱体質であったこともあり晩年はあまり恵まれなかった。…

※「ミクログラフィア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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