改訂新版 世界大百科事典 「ミザル」の意味・わかりやすい解説
ミザル
Mizar
おおぐま座ζ星。北斗七星の柄の先端から2番目の星。アラビア語のミザルmi'zar(腰布)からきた名。望遠鏡で見ると,2.4等のミザルAと3.9等のミザルBに分かれて見える実視連星である。2星間は,400天文単位ほどあり,公転周期は数千年と考えられている。また,ミザルA自体が分光連星であり,1889年,アメリカのE.C.ピッカリングによるその発見は,史上初の分光連星の発見である。ミザルBも分光連星である。ミザルのそばには,4.2等星のアルゴルが肉眼二重星として見えている。概略位置は赤経13h24m,赤緯+54°56′。午後9時の南中は5月末である。ミザル星系のスペクトル型はA1。合成の実視等級は2.2等。ミザルの距離は69光年。
執筆者:山田 陽志郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報