ミシュラン会社(英語表記)Michelin et Cie.

改訂新版 世界大百科事典 「ミシュラン会社」の意味・わかりやすい解説

ミシュラン[会社]
Michelin et Cie.

ラジアルタイヤ開発で有名なヨーロッパ最大のタイヤ・メーカーManufacture Française des Pneumatiques Michelin(MFPM)などの持株会社。正式名称Compagnie Générale des Établissements Michelin。本社はフランス中央部のクレルモン・フェラン。1831年につくられたゴムひもなどゴム製品を製造するバルビエ・ドーブレ・ゴム工場Maison Barbier et Daubréeがその前身である。63年バルビエ・ドーブレ社Barbier et Daubrée et Cie.として設立。88年バルビエAristide Barbierの孫アンドレAndré Michelin(1853-1931)とエドアールEdouard Michelin(1859-1940)の兄弟が社名をミシュラン・ゴム製造会社と改称。91年から自転車用タイヤ,95年から自動車タイヤの製造を始めた。1900年には旅行ガイドブック《ギド・ミシュランGuide Michelin》を創刊した。1910年代にはヨーロッパ各地に工場を建設するとともに,原料ゴムの確保のためインドネシア,ブラジルなどでゴム園を経営した。37年スチールコード入りのタイヤを,47年にはラジアルタイヤ〈pneu X〉を発売した。59年子会社MFPMを設立,タイヤの製造・販売事業を移譲し,持株会社となり現社名となった。65年フランス第2のタイヤ・メーカー,クレベール・コロンブKléber-Colombes S.A.を支配下に収め,66年には世界最大のタイヤ・メーカーであるアメリカのグッドイヤー社と合弁で合成ゴム工場を建設した。一方1934年,経営難にあったシトロエン社を支配下においたが,76年にプジョー社に経営権を譲り渡した。売上高157億ユーロ(2004年12月期)。
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