ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タガール文化」の意味・わかりやすい解説
タガール文化
タガールぶんか
Tagar culture
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ロシア南東部、南シベリアのエニセイ川中流域を占めるミヌシンスク盆地を中心として栄えた青銅器文化。紀元前7世紀ころに、先行するカラスク文化にかわって登場し、前2~前1世紀ころにタシュトゥイク文化に移行した。住民の生業は牧畜であったが、同時に灌漑(かんがい)農耕も行われていた。タガール文化の青銅器、とりわけ短剣、馬具、鏃(やじり)、またそれらに装飾としてつけられた動物文様などには、当時ユーラシア草原全域にわたって流布していたスキタイ系文化との共通点が多く認められる。タガール文化の末期には鉄器が現れ、また死者をミイラ化したり、石膏(せっこう)で死仮面(デスマスク)をつくるなど、次のタシュトゥイク文化期に盛行することになる風習がみられる。
[林 俊雄]
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