ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンドロノボ文化」の意味・わかりやすい解説
アンドロノボ文化
アンドロノボぶんか
Andronovo culture
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紀元前二千年紀中ごろから前一千年紀初めまで、西シベリアの南部一帯に広く分布した青銅器文化。銅と錫(すず)を坑道によって採掘し、これの合金である青銅で、刀子(とうす)、短剣、鎗(やり)、斧(おの)、鎌、耳輪などを、鍛造はもとより鋳造によってもつくった。生業の中心は家畜飼養で、ウシ、ウマ、ヒツジが対象とされた。副次的に小麦の栽培もなされており、したがって集落は、農耕に適した川沿いの冠水肥沃(ひよく)地に形成されている。たとえば、アレクセーエフ遺跡では、20軒以上の住居址(し)が調査されているが、いずれも貯蔵用の穴と、暖房用および調理用の2種類の炉を有していた。つまり、定住度の高い半牧半農の生活形態である。彼らはこの地域における最初の騎馬民族とみなされている。遺骸(いがい)は低い盛り土墳に屈葬で埋められ、まれに火葬もなされた。また、家畜を犠牲にした豊饒(ほうじょう)儀礼が行われたらしく、土壙(どこう)から、焼かれた家畜の骨といっしょに、食物を入れた壺(つぼ)や小麦が出土している。
[大塚和義]
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