日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミュラー・リヤー」の意味・わかりやすい解説
ミュラー・リヤー
みゅらーりやー
Franz Carl Müller-Lyer
(1857―1916)
ドイツの社会学者、心理学者。バーデン・バーデンに生まれる。シュトラスブルク、ボン、ライプツィヒの各大学に学び、シュトラスブルク大学助手を経て、1888年ミュンヘン大学教授となる。初め実験心理学を研究し、幾何学的錯視に関するミュラー・リヤー図形を発表(1889)した。のちに民族学的社会学に転じ、人類文化全体の発展を明らかにしようとした。社会進化論と史的唯物論を結合する立場から段階学Phaseologie(ドイツ語)を提唱し、資源、技術、労力などを重視して文化の発展段階、発展法則を考えた。主著としては『文化の段階と発達の針路』(1908)をはじめとする『人類の発展段階』全7巻(1908~1924)がある。
[野口武徳]
『ミュラー・リヤー著、木下史郎訳『婚姻の諸形式』(岩波文庫)』
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