ミューディ(その他表記)Charles Edward Mudie

改訂新版 世界大百科事典 「ミューディ」の意味・わかりやすい解説

ミューディ
Charles Edward Mudie
生没年:1818-90

イギリスの書店主。古書店主の息子としてロンドンに生まれ,1840年に彼自身文具店兼書店を開き,42年から貸本業を始めた。貸本店(貸本屋)は18世紀からすでに広く行われていたが,1840年代から全国的な安い郵便制度が確立したこと,さらに一般民衆の読み書き能力がとくに都市部で向上し,読書に対する需要が急激に増えたことが幸いして,この事業は成功し,10年後には都心部に大店舗を構え,郵便を使って全国の顧客に多くの本を貸し出した。国民の文化水準向上に貢献したことは事実であるが,彼自身が宗教心にあつく,少しでも不道徳と判断した本はいっさい拒否したため,彼の事業が独占的地位をもつようになると,出版社が最大の顧客であるミューディ文庫のきげんを損ねることを恐れ,社会にいささかでも反抗的と思われる作品の出版を自主規制した。間接的検閲弊害を助長したことも事実である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のミューディの言及

【貸本屋】より

…産業革命を最初に迎えたイギリスにその例をみよう。E.M.サトーが日本へやってくるきっかけとなったのは,実はロンドンの貸本屋ミューディーズ・ライブラリーMudie’s Libraryから,日本に関する記事の書かれた本を借り出して読んだことにあるといわれる。この貸本屋はミューディーC.E.Mudie(1818‐90)によって1842年に始められ,基本会費1ギニー(21シリング)を納めることで貸し出された。…

【貸本屋】より

…産業革命を最初に迎えたイギリスにその例をみよう。E.M.サトーが日本へやってくるきっかけとなったのは,実はロンドンの貸本屋ミューディーズ・ライブラリーMudie’s Libraryから,日本に関する記事の書かれた本を借り出して読んだことにあるといわれる。この貸本屋はミューディーC.E.Mudie(1818‐90)によって1842年に始められ,基本会費1ギニー(21シリング)を納めることで貸し出された。…

※「ミューディ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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