ムンディガク遺跡(読み)ムンディガクいせき(その他表記)Mundigak

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムンディガク遺跡」の意味・わかりやすい解説

ムンディガク遺跡
ムンディガクいせき
Mundigak

アフガニスタン,カンダハールの北西約 55kmにある数基のテペより成る遺跡。 1951~58年に J.M.カザルが 10回調査を行い,7期にわたる金石併用時代~青銅器時代の文化層を明らかにした。第I期の中葉に練り土家屋が出現,後半には泥煉瓦家屋が造られるようになり定着した。第 II~IV期に順次集落が発展したと考えられている。 IV期には一時的ではあるが,遺跡の最高所に記念碑的な建物が建てられたり,相互間を結ぶ通廊や主丘 (Aテペ) を囲む囲壁が設けられるなどしており,町邑へ発展したのではないかと指摘されている。土器は淡黄色地に幾何学文,動植物文の彩文が多いが,III期からは灰色土器も混る。土器製作には当初より陶車が用いられ,I期の9割以上の土器が陶車製であった。第 II~IV期には青銅製品があり,柄を装着する銅斧,銅ピン,槍先,針などが出土している。またI期の遺物には瘤牛テラコッタがあるが,これはインダス川流域より古いことが指摘されている。第V期以降は系統を異にする中央アジアのチュースト文化に変化したとされている。

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