日本大百科全書(ニッポニカ) 「メイトランド」の意味・わかりやすい解説
メイトランド
めいとらんど
Frederic William Maitland
(1850―1906)
イギリスの著名な法制史家。ロンドンに生まれ、ケンブリッジ大学を卒業、1876年にバリスターの資格を付与された。バリスターとしてはエクイティ(衡平法)や不動産譲渡の分野で活躍したが、1888年には母校でイギリス法の教授となり、1906年に死去するまでその職にあった。彼は法律学者であるとともに、歴史学者でもあって、比較法学やイギリス法制史に造詣(ぞうけい)が深かった。晩年は健康を害したが、原資料から歴史を忠実に再生した著作は高い評価を受けている。主著の一つである『エドワード1世以前のイギリス法史』(1895)は、サー・フレデリック・ポロックとの共著であるが、大部分はメイトランドが書いたもので、その後の法制史研究に与えた影響は大きい。ほかに『イギリス憲法史』(1908)など多数の著書がある。
[堀部政男]