化学辞典 第2版 「メタン発酵法」の解説
メタン発酵法
メタンハッコウホウ
methane fermentation
嫌気性消化法(anaerobic digestion)ともいう.廃水中の有機物は嫌気的条件下で酸性成菌によって有機酸,アルコール,アルデヒドに分解され,さらにメタン生成菌によってメタン,二酸化炭素に分解される.中温発酵(34~38 ℃)と高温発酵(51~53 ℃)とがあり,温度を高くすると消化日数が短縮される.酸発酵の細菌はClostridium属,Bacillus属,Staphylococcus属が知られ,メタン発酵ではMethanococcus属,Methanosarcina属,Methanobacterium属がある.処理施設の建設費は高いが,運転費が安く,発生ガスを補助燃料として利用することができ,大きな表面積を必要としない.アルコール蒸留廃液,抗生物質廃水,酵母廃水,洗毛廃水などに適用される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報