メタン発酵(読み)メタンはっこう(英語表記)methane fermentation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メタン発酵」の意味・わかりやすい解説

メタン発酵
メタンはっこう
methane fermentation

メタン細菌と呼ばれる嫌気性微生物によって行われるメタン生成。メタン細菌は水素ガスを酸化することによってエネルギーを獲得し,この過程で炭酸ガスを還元してメタンを発生する 4H2 + CO2 → CH4 + 2H2O。また,メチルアルコールギ酸酢酸などからもメタンが生成される。一般に,メタン発酵は混合培養系で行われ,糖,蛋白質脂質などをメタン細菌の利用しうる物質にまで分解する多数の微生物が関与しており,ビタミン B12,特にメチル B12がメチル運搬体として重要な働きをしている。ある種のメタン細菌では,メチル B12からのメチル基がコエンザイムM (HS-CH2CH2SO3-) と名づけられた化合物に移されたのち,メタンに還元されるといわれている。メタン細菌にはビタミン B12がかなり多量に含まれている(→ビタミン B12 発酵)。

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