モグリスタン・ハン国(読み)モグリスタン・ハンこく(英語表記)Moghūlistān Khanate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モグリスタン・ハン国」の意味・わかりやすい解説

モグリスタン・ハン国
モグリスタン・ハンこく
Moghūlistān Khanate

別名東チャガタイ・ハン国。チャガタイ・ハン国の内部抗争による東西分裂の結果,天山山脈地帯に成立した国 (1348~1514) 。明朝文献では別失八里 (ベシバリ〈ク〉) とか亦力把里 (イリバリ〈ク〉) と呼ばれている。始祖トゥグルク・チムールイリ盆地を中心に天山周辺と南部のカシュガルヤルカンドなどのオアシス地帯,東部天山のいわゆるウイグリスタンを領域とし,ドグラト家がハン国の宰相として絶大な権勢をふるった。 14世紀後半にチムール (帖木児)の遠征を受け,15世紀初頭オイラート (瓦剌)と対立した。その後イリからタシケントにいたる地域とウイグリスタンとに2分。 16世紀初めにオイラートカザフとの圧迫を受けて崩壊し,カシュガルに拠ったサイード・ハンが 1514年にカシュガル・ハン国を建てた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android