化学辞典 第2版 「もり機構」の解説
もり機構
モリキコウ
harpoon mechanism
交差ビームの実験で観測されるイオン反応の一つ.ハロゲン分子にアルカリ金属原子が反応するとき,イオン結合よりはるかに離れた距離で,金属原子からハロゲン分子に電子が飛び移り,それからクーロン力で近づいて反応する.あたかももりを打つように見えるので,もり機構という.アルカリ金属原子Aのイオン化電圧が低く,ハロゲン分子 X2 の電子親和力が大きいので,A+ X2 と A+ + X2- のポテンシャル曲線が A+ X- の結合距離よりもはるかに離れた距離で交差するためである.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報