普及版 字通 の解説
5画
[字訓] せまい・なやむ・わざわい
[説文解字]
[字形] 象形
戸下のくぐり戸の形。〔説文〕十二上に「隘(せま)きなり」とあり、〔伝〕に小門の義とし、ともに乙(いつ)声とするが、その部分はくぐり戸の形。〔孟子、尽心下〕に、「君子(孔子)の陳・のに(くるし)めらるるは、上下のはり無ければなり」とあり、困厄の意に用いる。厄と声義が通ずる。狭隘の意より、困厄の意を生じた。
[訓義]
1. せまい、くぐり戸。
2. なやむ、くるしむ。
3. わざわい、困難。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 今の厄なり 〔立〕 ミギリ
[語系]
・厄・阨・・扼・・隘ekは同声。はくぐり、厄はくびき、(益)は糸を縊(くく)る形。握eokは握りしめる。みな声義に通ずるところがある。
[熟語]
運▶・禍▶・窮▶・困▶・塞▶・屯▶・難▶
[下接語]
・火・・危・・窮・窘・遇・困・災・処・水・遭・兵・・乏・幽・憂・離
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報