日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユイトゥー」の意味・わかりやすい解説
ユイトゥー
ゆいとぅー / 魚肚
ニベという魚の浮き袋を固く乾燥したもので、大小あり、中国の福建(ふっけん)料理によく用いられる。ユイトゥーをふきんでよくふき、ごま油で、低温から入れて巻き縮れないように箸(はし)で押さえ広げながら、高温になるまでゆっくり揚げる。広がってきつね色になり、香ばしくなったら油を切り、熱湯で油抜きをしてから水に入れる。再三水を取り替えて、臭み抜きをしてから湯菜(タンツァイ)、炒菜(チャオツァイ)などに用いる。たとえば魚肚湯(ユイトウータン)をつくる場合は、もどしたユイトゥーの水分をふきとり、2~3センチメートル角に切る。深鍋(なべ)にスープを入れ、そこへ鶏肉の薄切り、タケノコ、シイタケなどを入れて酒、塩で調味し、おろしぎわにサヤエンドウ、ハム、ユイトゥーを入れて供する。
[野村万千代]