ユニテ・ダビタシオン(その他表記)Unité d'Habitation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユニテ・ダビタシオン」の意味・わかりやすい解説

ユニテ・ダビタシオン
Unité d'Habitation

ル・コルビュジエの設計によりフランスのマルセイユ郊外に建設された高層集合住宅。1947~52年に建設され,約 1600人を収容できる 337戸のメゾネット型住戸からなり,単身者から 4人家族向けまで 23種類の部屋がある。18階建てで 7階,8階は商舗,最上階には幼稚園,屋上屋上庭園と子供用プールがあり,この建物だけで居住区を形成できるよう意図され,「住居単位」と呼ばれる。1階は大胆な打放しコンクリートピロティバルコニーにはブリーズ・ソレイユ日よけ)が取り付けられている。1961年には 3階と 4階部分がホテルとして開業した。尺度体系にル・コルビュジエが考案したモデュロールを採用しており,この形式の集合住宅をナント(1956),ドイツのベルリン(1956~58),ブリエ(1957),フィルミニー(1962~65)にも建設している。2016年,世界 7ヵ国 17件の建築物などで構成される「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」の一つとして世界遺産の文化遺産に登録された。

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世界大百科事典(旧版)内のユニテ・ダビタシオンの言及

【集合住宅】より

…このような考え方にたって,古いパリ市街をまったく新しい高層住宅群に置き換えようとした提案がル・コルビュジエのパリ改造計画(1922)であった。この考え方は,1棟ではあったがユニテ・ダビタシオンと呼ばれるマルセイユの高層アパート(1950)で実現された。日本でも戦後の代表的な高層住宅である晴海高層アパート(1958)が建てられ,住宅の高層化が論議されるようになった。…

※「ユニテ・ダビタシオン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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