翻訳|roof garden
建築物などによって自然の地盤から離された構造物の表層に人工地盤をつくり,植物を植えた園地。軽量骨材で排水層を設け,上に土壌を盛って植栽するが,植物生育に必要な土壌量の確保と軽量人工土壌の開発が技術上の課題となっている。建物屋上だけでなくバルコニー,ベランダ,テラス,建築物の途中階,建物周辺の地下工作物の上,さらに屋内のフロアに造られた庭園も含めて呼ぶ。過密都市の土地を有効に利用するため,駐車場や道路,鉄道敷や水路の上を蓋がけしたり,下水処理場,給水所の水槽の上などを公園とするのも似た例である。古代バビロニアのネブカドネザル2世が宮殿に造ったハンギングガーデンhanging garden(空中庭園,架空園,懸垂園)が屋上庭園史上最古のものである。その後は権力の象徴,神への畏敬と接近のシンボルとして,宮殿の屋上やテラス,墓塔に植栽された例が散見される。自然の恵みを神に感謝するという意味の収穫祭と花に象徴される自然美を愛でる精神行事が,バルコニーでの鉢物草花園芸の発達を促し,屋上庭園の系譜にも影響を与えたとする説もある。近代になって,ル・コルビュジエは屋上の照返し緩和,ひび割れ漏水防止,屋外空間の利用という機能的意味を屋上庭園に与えた。日本では1920年代に百貨店の屋上に装飾と園芸売場を兼ねたもの,小学校に屋上教材園が造られたのが最初である。
→庭園
執筆者:輿水 肇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
文芸雑誌。1909年(明治42)10月創刊。翌年2月終刊。全2冊。同人は北原白秋(はくしゅう)、木下杢太郎(もくたろう)、長田秀雄(ながたひでお)。近代日本における耽美(たんび)派芸術運動の中心となった「パンの会」の詩人たちによって創刊された、異国情調、都会情緒が全誌面にみなぎる瀟洒(しょうしゃ)な四六倍判の雑誌。永井荷風(かふう)、蒲原有明(かんばらありあけ)らも寄稿した。第1号には白秋の『雑草園』、秀雄の『未(いま)だ生れざる帝国劇場』、第2号には杢太郎の『異国情調』などの詩が掲げられたが、第2号の白秋の詩『おかる勘平』が風俗壊乱のゆえをもって発禁となり、そのまま廃刊した。
[千葉俊二]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(森和男 東アジア野生植物研究会主宰 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
…1907年,雑誌《明星》の同人となって詩作を始め,09年《スバル》創刊に参画,本格的な創作活動に従い,美的享楽者の心情を描いた小説《荒布橋(あらめばし)》,南蛮キリシタン趣味の象徴劇《南蛮寺門前》(以上1909),江戸趣味の情調劇《和泉屋染物店》(1911)などを相次いで発表,時代の耽美主義に少なからぬ影響を与えた。一方これと時を同じくして,北原白秋,長田秀雄,石井柏亭,山本鼎らとパンの会を興して耽美享楽の渦をなし,また,白秋,秀雄の3人で季刊同人誌《屋上庭園》(1909年10月~1910年2月,全2冊)を刊行,都会趣味の極致を示した。この時期の詩集に《食後の唄》(1919)がある。…
…これは自然土壌と大きく異なるので,以下狭義の人工地盤について述べる。 都市内にみられる人工地盤の例に,建築物上部につくられた屋上庭園,テラスガーデン,屋内庭園などがあり,また地下街,地下鉄,地下ガレージ,地下貯水槽などの地下施設上につくられた庭園,公園がある。これら人工地盤には,装飾,観賞,修景,環境保全,防災などの目的で植栽されることが多い。…
※「屋上庭園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
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