日本大百科全書(ニッポニカ) 「日よけ」の意味・わかりやすい解説
日よけ
ひよけ
sunbreak
おもに夏季の強い直射日光を遮蔽(しゃへい)することを目的として窓、開口に取り付けられる装置、設備、構造物をいう。ただし、採光や通風の妨げとならないものが望ましい。日本では古くから、すだれやよしずが日よけとして使われてきた。
[松浦邦男]
装置・設備としての日よけ(室内側)
窓、開口の室内側に取り付けるものとしてはカーテン、ブラインド類がある。ブラインドはルーバーlouverタイプのものが多い。ルーバーとは短冊形の薄板を平行に並べたものをいい、薄板の角度を変えることにより光線を遮蔽することができる。ブラインドとしてもっともよく用いられるものはベネチアンブラインドVenetian blindで、明色塗装をした曲率のある金属製薄板を水平にして窓上部から吊(つ)るし、板の角度を自由に変え、直射日光を遮蔽または上向きに反射させる。布または塗装した金属製薄板を縦に並べ角度を調節できるようにした縦形ルーバーブラインドもよく用いられている。そのほか、窓上部に水平に取り付けられたローラーに特製の布を巻き上げるローラーシェードroller shade、レース地のカーテンなどがある。
[松浦邦男]
装置・設備としての日よけ(室外側)
直射日光がないとき巻き取りあるいは畳み込むことができるものとして、布やプラスチック加工布を鉄パイプを骨組とした幕・テント状構造とした布日よけがある。また、耐食性アルミニウム合金製の固定ルーバータイプのものもある。
[松浦邦男]
構造物としての日よけ
庇(ひさし)や袖壁(そでかべ)など、建物の構造体の一部としてつくられた日よけ。コンクリート製で固定されたルーバーやフィンfin(数枚の板で構成され、ルーバーほど数が多くないもの)もこれにあたる。
[松浦邦男]