ユニヴェルシテ・アンペリアル

大学事典 の解説

ユニヴェルシテ・アンペリアル[仏]

1806年5月10日の法律と1808年3月17日の政令によって具体化されたナポレオン帝政下のフランスの公教育体制。「帝国大学(フランス)」と訳されるが,教育機関そのものではなく,教育行政・教員組織を指す。①教会との関係における,教育に対する国家の独占,②ファキュルテ,リセ,コレージュ,「私立学校institution」,「寄宿学校pension」,「小学校petite école」といった学校の階梯,③大学区(アカデミー)と大学区長(レクトゥール)という枠組みによる中央集権的な教育行政,④神・法・医・文・理の5種のファキュルテ,⑤バカロレア,リサンス,ドクトラという3段階の学位とファキュルテによるそれらの授与の独占,⑥全国レベルでの総視学官と大学区レベルでの視学官の役職,⑦アグレガシオン試験の復活などを定めている。大革命を経た後のフランスの近代的な教育制度の出発点をなすもので,諸改革後の今日にまで至る,フランスの教育の基本的な枠組みや特徴を示す点も多く見いだされる。
著者: 白鳥義彦

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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