ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラッシ朝」の意味・わかりやすい解説 ラッシ朝ラッシちょうRass 9世紀から 13世紀にわたるイエメンの王朝。イスラム教シーア派の穏健派であるザイド派のイマームが君主である。その歴史はいまだ不明な点が多い。ザイド派のイマームがヘジャズのラッシ地方を占拠し,アッバース朝カリフ,マームーン (在位 813~833) から自立したのが王朝名の由来である。王朝はイエメンの山岳地帯のサーダを根拠地とし,イエメンの中心都市サナーをも支配したが,サナーはしばしば他の勢力によって侵された。 1174年のエジプトのアイユーブ朝によるイエメン征服以後は,イマームの支持勢力は少くなり,13世紀以後はその支持勢力も分裂して,王朝としての機能は失われた。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by