改訂新版 世界大百科事典 「ラブルース」の意味・わかりやすい解説
ラブルース
Ernest Labrousse
生没年:1895-1988
フランスの歴史家。パリ大学法学部出身。F.シミアンの影響下に経済史・社会史の研究へと進み,《18世紀フランスにおける物価ならびに所得の変動分析試論》2巻(1933),《アンシャン・レジーム末期ならびに革命初期におけるフランス経済の危機》(1944)の2著により,経済変動の分析に確固とした方法的基礎を与えると同時に,その社会的影響についても綿密な分析を行い,大革命の勃発を社会構造と経済変動の関連の中に位置づけることに成功した。1945年M.ブロックの後を継いでソルボンヌの経済史講座の教授となり,53年には〈社会運動・社会構成史研究国際委員会〉を組織,労働運動・社会運動の研究にも新たな展望をひらいた。F.ブローデルとともに総監修者として編集に当たった《フランス社会経済史》7巻(1970-82)は,両者の指導下に発展を遂げたフランス経済史学の最新成果の集大成である。
執筆者:二宮 宏之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報