展望(読み)テンボウ

デジタル大辞泉 「展望」の意味・読み・例文・類語

てん‐ぼう〔‐バウ〕【展望】

[名](スル)
遠くまで見渡すこと。また、そのながめ。見晴らし。「展望がきく」「屋上から市街展望する」
社会の動き、人生行く末などを見渡すこと。見通すこと。見通し。「将来に対する展望がない」
[補説]書名別項。→展望
[類語](1眺望見晴らし見通し一望概観望遠景色風景風光風色ふうしょくけい景観景色けいしょく景趣眺めパノラマ望見観望遠望遠見とおみ望む2見通し見当読み見込み見極め当て目当て目安目処めど目標予測予想予期目星計算予定可能可能性有りポシブルポシビリティープロバビリティー将来性蓋然性公算成算心当て望み伸び代予見予知余地予断目算駄目で元元駄目元

てんぼう【展望】[書名]

総合雑誌筑摩書房より昭和21年(1946)1月創刊。創刊時の編集長臼井吉見。昭和26年(1951)に一度休刊したのち、昭和39年(1964)から第2期を刊行、昭和53年(1978)廃刊。

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精選版 日本国語大辞典 「展望」の意味・読み・例文・類語

てん‐ぼう‥バウ【展望】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 広い範囲にわたって遠くまで見渡すこと。また、その見渡したながめ。見晴らし。
      1. [初出の実例]「前には堅固な扉が何時迄も展望(テンバウ)を遮ぎってゐた」(出典:門(1910)〈夏目漱石〉二一)
    2. 広い範囲にわたって社会のできごとや人生などを見渡すこと、見通すこと。また、その見通し。転じて、事の成り行きやその予想をもいう。
      1. [初出の実例]「人生の展望は少しも利かない」(出典:侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉庸才)
  2. [ 2 ] 総合雑誌。昭和二一年(一九四六)一月、臼井吉見編集で創刊。筑摩書房発行。田辺元、矢内原忠雄らの論文や、一号一作主義の創作欄で太宰治「人間失格」、宮本百合子「道標」、大岡昇平「野火」などを掲載した。同二六年九月休刊、同三九年九月復刊したが、同五三年休刊した。

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改訂新版 世界大百科事典 「展望」の意味・わかりやすい解説

展望 (てんぼう)

筑摩書房発行の月刊総合雑誌。1946年1月創刊。〈敗戦の悲惨は,何といったところで,日本文化の低さと弱さに根ざしてゐる……〉(創刊号編集後記)とする観点から,文化・思想を重視し,田辺元,務台理作らの哲学論文を相次いで掲載。創作欄にも中野重治,宮本百合子,太宰治,大岡昇平らの力作や新人椎名麟三を登場させるなど好調なすべり出しをみせた。とくに編集者臼井吉見執筆の〈展望〉欄はその鋭鋒が評判となったが,母体の経営不振から51年9月号で休刊。64年10月号よりいったんは復刊したものの,これも78年筑摩書房倒産のため再び休刊となった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「展望」の意味・わかりやすい解説

展望
てんぼう

総合雑誌。第一次は1946年(昭和21)1月~51年9月、第2次は64年10月~78年8月。筑摩(ちくま)書房発行。編集長臼井吉見(うすいよしみ)。唐木(からき)順三、中村光夫(みつお)が参画、臼井は「展望」欄で骨太の筆陣を張って注目を浴びた。時流の浮薄に距離を置いた編集方針を貫き、世界史的視圏から現実を凝視、内省する重厚な論を集めた。和辻(わつじ)哲郎、柳田国男(やなぎたくにお)、梯明秀(かけはしあきひで)、梅本克己(かつみ)、中野好夫(よしお)、竹内好(よしみ)らが筆を振るい、宮本百合子(ゆりこ)、中野重治(しげはる)、高村光太郎、太宰治(だざいおさむ)、大岡昇平(しょうへい)らが力編を寄せ、椎名麟三(しいなりんぞう)は文壇的出発を果たした。復刊後は岡山猛らの編集。太宰治賞を創設、吉村昭(あきら)、秦恒平(はたこうへい)らを送り出した。

[高橋新太郎]

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普及版 字通 「展望」の読み・字形・画数・意味

【展望】てんぼう

見遥かす。

字通「展」の項目を見る

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