六訂版 家庭医学大全科 「ラミネートベニア」の解説
ラミネートベニア
Laminate veneer
(歯と歯肉の病気)
歯の表面を、エナメル質の範囲内で削り(削らない場合もあります)、セラミックス素材を用いた非常に薄いシェル(つけ爪のようなもの)を、特殊な樹脂系セメントで接着する歯の修復法です。歯の色、形、大きさ、歯並び、歯のすきまを改善したい場合、つまり、審美的回復に有効な治療法です。
セラミックスは変色やすり減りの心配の少ない材料ですが、非常に薄くして使用するため、力がかかるところには応用できません。主に上あごの前歯を対象としており、審美的要件から奥歯でも可能な場合があります。
通院は2~4回程度で終わる場合が多く、矯正治療のように時間がかかることなく、外観のよい歯を手に入れることができます。ただし、セラミックスの薄いシェルを貼りつけるだけなので、歯の大きなねじれなどはカバーできません。
この治療は医療保険治療の範囲に含まれないので、1本あたりの治療費は数万円ほどかかる場合があります。
羽村 章
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報