最新 地学事典 「ラム層状超塩基性岩体」の解説
ラムそうじょうちょうえんきせいがんたい
ラム層状超塩基性岩体
Rum layered ultrabasic complex
英国Inner Hebridesのラム島の主山地を構成する30km2に及ぶ岩体で,斑れい岩を伴う。イギリス諸島の北西海岸沿いに広がるマグマ地帯であるイギリス・アイルランド古第三紀火成地域の一部として,北大西洋の拡大時(約60Ma)に形成。かんらん岩とアリバライトの低角の成層構造が発達し,A.Harker(1908)は二つの分化液が交互に貫入したとしたが,マグマ溜まりでの重力分化とする説や多数のシルの貫入体とする説がある。J.W.Wadsworth(1961)によると,岩体南西で約1.35kmの間で四つの周期的成層単位が識別され,最下部がユークライト。ほかの三つは超苦鉄質岩で,長石が上ほど増し,かんらん石は下部のFo88から上部のFo80まで変わる。源マグマとして,ムル島のPorphyritic Central Magma typeのものが考えられる。珪長質分化物の少ないのは,一層ごとに分化物が地表に噴出したためという。
執筆者:端山 好和・高澤 栄一
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

