改訂新版 世界大百科事典 「ランガ」の意味・わかりやすい解説
ランガ
Robert Lingat
生没年:1892-1972
フランスの学者。東南アジアに継受されたインド古代法比較研究の権威。北フランスのアルデンヌ県生れ。1919年パリ東洋語学校卒業後,24年法律顧問としてタイに渡り,タイの伝統法である《三印法典》の研究に没頭,32年《シャム古代法における私奴隷の研究》で法学博士号を取得した。タイのタマサート大学における〈タイ法制史〉(1935-39)の講義はのちに出版され,今日もなお高い評価を受けている。38-39年《三印法典》の校訂本を出版するとともに,同法典に関する数々の論考を発表してタイ伝統法研究の基礎を築いた。このほか,インドシナ古代法の比較法制史的研究の分野での業績も多い。晩年にはインド古代法の研究に転じ,《インド古典法》(1967。英訳1973)を著した。61年より高等研究院教授。72年パリにて没。
執筆者:石井 米雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報