アルデンヌ県(読み)アルデンヌ(その他表記)Ardennes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルデンヌ県」の意味・わかりやすい解説

アルデンヌ〔県〕
アルデンヌ
Ardennes

フランス北東部,シャンパーニュアルデンヌ地域 (レジオン) の県。北はアルデンヌ山地内でベルギーと国境を接し,南はシャンパーニュ地方の北部を含む。県都シャルルビルメジエール。北部はアルデンヌ山地西麓のロクロア台地。標高約 350mの低木地帯の不毛の地であったが,現在は農地化され,牧畜が行われる。ムーズ川,スモア川にのぞむ部分は森林地帯。第1次・第2次世界大戦の激戦地として知られる。ムーズ川の沿岸は南北方向の交通路で,工業地帯を形成している。アルデンヌ山地南麓のジュラ紀粘土層内の低地肥沃な農業地帯で,牧場が多く,穀物,テンサイの栽培も盛ん。ムーズ川とエーヌ川はアルデンヌ運河により結ばれるが,河間地帯東部は石灰岩質の地味のやせた台地で,森林が多く,西部はパリ盆地北東部の粘土質のポルシアン台地で,エーヌ川の谷とともに豊かな農業地帯。エーヌ川以南は乾燥シャンパーニュ地方で,かつてはヒツジ放牧が行われた不毛地帯であったが,現在は一部にマツを植林牧草を含めた輪作による耕作も行われる。同県産業は,スダンから国境に近いジベまで,ムーズ川に沿う一連の工業地帯が中心で,鉄鋼業のほか古くから知られる刃物などの軽工業も盛ん。スダン,ルテルなどには繊維工業もあり,工業生産額は全国平均を上回っている。面積 5229km2人口 29万 6357 (1990) 。

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