化学辞典 第2版 「ランダムウォークモデル」の解説
ランダムウォークモデル
ランダムウォークモデル
random walk model
酔歩モデルあるいは乱歩モデルともいう.数学や物理学の問題を解くときに用いられるモデルの一つ.物体が直線上をτ秒ごとに左右に長さdだけ等しい確率で移動するとき,t秒後にxの位置にある確率U(x,t) は,
の差分方程式を満足する.d 2 = τのとき,U(x,t) のd→0に対する極限のu(x,t) は,
を満足する.これは,よく知られている拡散方程式である.粒子のブラウン運動や気体分子の拡散,溶液中の化学反応,半導体中の不純物の拡散などは,このモデルにもとづいて差分方程式を解くことにより,近似的に解析することができる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報