ラーニング・ポートフォリオ

大学事典 の解説

ラーニング・ポートフォリオ

学習者の教育目標の到達度を測る質的評価手法の一つ。一般的に,授業やコースの教育目標の到達度は,学期末での客観テストやレポート試験などにより評価されてきた。近年,高等教育における学習者中心の教育への転換やアクティブ・ラーニング(能動的学修)の導入が叫ばれてきたことから,学習者の学修成果をそのプロセスも含めて多面的に評価できる評価手法の開発が求められており,そのようなニーズに応えるものとして注目されるようになった。大きくは学習者が自身の学修の達成度を「省察した記述」と,その記述を裏付けるエビデンスと呼ばれる授業で作成した課題物や小レポート,授業外での自主的な学習を示す成果物などの「根拠資料」とから成る。ズビザレッタ,J.は根拠資料の収集・記録,グループでの共同作業やメンタリング(対話による気づきや助言などを通して,学習者の自発的・自律的な発達を促すことを目指す),それらをもとに学生自身が学修を振り返ることの三つが組み込まれている必要性を指摘している。
著者: 井上史子

参考文献: Zubizarreta, J., The Learning Portfolio: Reflective Practice for Improving Student Learning. Second Edition, San Francisco, CA: Jossey-Bass, 2009.

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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