改訂新版 世界大百科事典 「ラーマティボディ2世」の意味・わかりやすい解説
ラーマティボディ[2世]
Ramathibodi Ⅱ
生没年:1472-1529
タイのアユタヤ朝スワンナプーム王家第8代の王。在位1491-1529年。トライローカナート王の子。長じて兄ボロマラーチャー3世の副王となり,大守として北タイの要衝ピッサヌロークを治めた。1491年兄の後を継いで王位につくと,しばしばチエンマイ王国に遠征して北方への勢力拡張を図り,南のマラッカに対しては宗主権を主張した。このため,1511年マラッカを占領したポルトガル人アルブケルケは,使節をアユタヤに派遣して了解を求めた。そして16年ポルトガルはアユタヤと最初の条約締結に成功し,首都のほかテナッセリム,メルギー,パッターニー,リゴールでの通商,居住の権利と,アユタヤにおけるカトリックの布教承認を獲得した。王は運河を掘削してメナム川デルタの舟運の便を図り,兵制を改革して18歳以上の壮丁登録制度を整備した。シーサンペット寺の大仏はこの王のとき製作されたものである。
執筆者:石井 米雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報