朝日日本歴史人物事典 「レフィスゾーン」の解説
レフィスゾーン
生年:1800頃
幕末のオランダ商館長。ハーグ生まれ。1825年以降東インドに勤務,開国前夜の弘化2(1845)年から嘉永3(1850)年,出島商館長を務めた。フランス艦隊(1846),米国軍艦来航(1849)の際の通訳や斡旋,難破した米,英捕鯨船員の世話,送還に尽力,嘉永3年にはオランダ人最後の江戸参府を行った。帰国後,出版(1852)した『日本雑纂』は,アメリカの対日政策を示す公文書類,開国に対する各国の新聞論説などを収録。まもなく日本でも阿蘭陀通詞により抄訳され,『列遜ヤッパン紀事』他の名称で伝写,有識者間にかなりの流布をみた。勝海舟『開国起原』の冒頭「米国政府の決議」も同書の抄出である。<参考文献>勝海舟『開国起原Ⅰ』(勝海舟全集1巻),沼田次郎「開国への一寄与―レフェイスソーンの『日本雑纂』に就いて―」(『日本歴史』63号)
(鳥井裕美子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報