世話(読み)セワ

デジタル大辞泉 「世話」の意味・読み・例文・類語

せ‐わ【世話】

[名](スル)
1 面倒をみること。尽力すること。「病人の世話」「大きなお世話」「親身になって世話する」
2 間に立って斡旋あっせんすること。取り持つこと。「就職先を世話する」
3 手数がかかってやっかいであること。面倒であること。「世話が掛かる」→御世話様おせわさま
4 世間の人がする話。世間の言いぐさや慣用の言葉。また、日常語や俗語。「世話に砕いて言う」
5 通俗的、また庶民的であること。
「―らしい打解けた風は頓とみに失せて」〈鏡花・高野聖〉
6 「世話物」の略。
[補説]1~3は「せわ(忙)しい」の「せわ」からか。
[形動]《近世語》手数がかかるさま。面倒だ。
「あた―な家持ちよりは、金持ちが遥かましでもあらうかと」〈浄・河原達引〉
[類語](1)心配・扶助・扶育・御守おもり・付き添い・介添え・介助・介護・介抱・看護・面倒見めんどうみ・ケア/(2)仲介・取り持つ・橋渡し・仲立ち・媒介・取り次ぐ・介する・取り持ち・口利き・口入れ・口添え・肝煎きもいり・斡旋あっせん・周旋・紹介・仲買・媒酌・お節介・仲裁・調停・架け橋・渡りを付ける・引き合わせる・中に立つ・間に立つ・取り成す/(3)面倒めんどう・厄介・手数てかず・てすう・複雑・煩瑣はんさ・難しい・うるさい・煩わしい・面倒臭い・ややこしい・やかましい・くだくだしい・うっとうしい・こうるさい・気詰まり・しち面倒・しち面倒臭い・煩雑・難儀・煩多・錯雑・錯綜さくそう・しち難しい・入り組んだ・込み入った・手が込んだ・気が重い・気が進まない・気乗り薄・うんざり・億劫おっくう・渋る・投げ遣り・大儀・懶惰らんだ・横着・怠慢・怠惰・不精・懈怠けたい・世話が焼ける・手が掛かる・冗長・繁簡・ごたごた・もつれる・入り乱れる・紛糾・ごっちゃ・乱雑・雑然

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精選版 日本国語大辞典 「世話」の意味・読み・例文・類語

せ‐わ【世話】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ]
    1. ① 世間の人がする話。世間のいいぐさや慣用のことば。また、世間の人が用いる日常の話しことばや俗語をいう。
      1. [初出の実例]「わくら葉と云事も世話にいへり」(出典:言塵集(1406)二)
    2. ② 現実的、日常的、または庶民的なこと。通俗。
      1. [初出の実例]「玄関迄せわのきこへる御小身」(出典:雑俳・川柳評万句合‐明和四(1767)義五)
    3. ③ 「せわもの(世話物)」の略。
      1. [初出の実例]「筋は骨、仕組は肉、せりふは皮なり、〈略〉世話は皮薄きがよし」(出典:戯財録(1801)三都狂言替りある事)
  3. [ 二 ] ( 「せわしい(忙)」の「せわ」からか )
    1. ① ( ━する ) めんどうをみること。手数をかけて苦労すること。人のために尽力すること。また、それによるやっかい、手数。
      1. [初出の実例]「貴殿の御世話(セハ)には及ばず、拙者料理いたして薬喰の望」(出典:浮世草子・武道張合大鑑(1709)三)
    2. ② ( ━する ) 間に立ってあっせんすること。周旋すること。また間にいて差配すること。
      1. [初出の実例]「それあなたへとのおせはにぞ、力をよばずめのとはかさを義経(ぎけい)にまいらせけり」(出典:浄瑠璃・凱陣八島(1685頃)一)
      2. 「彼は突然芸者を世話してくれと言った」(出典:雪国(1935‐47)〈川端康成〉)
    3. ③ ( 形動 ) 手数がかかって苦労なさま。やっかいであるさま。めんどうであるさま。
      1. [初出の実例]「いかいせわで御座るが」(出典:咄本・軽口御前男(1703)五)
      2. 「兎角に故障がございまして〈略〉なんだかモウ世話(セワ)なものでございますよ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)

世話の語誌

( 1 )[ 一 ]と[ 二 ]とを別語源の語とする考えもある。「書言字考節用集」(一七一七)には、「世話(セワ) 下学集風俗之郷談也 世業(セワ)」とあり、[ 一 ]とは別に「世業」という漢字表記も示されており、別語意識がうかがわれる。[ 二 ]の場合も「世話」と表記するのが一般的であるが、これは同音語の[ 一 ]の表記を利用したことになる。
( 2 )一方、この[ 二 ]を[ 一 ]の用法の拡大としたものと見る説もある。世間の評判や噂話の意から、人のためにことばをさしはさんだり、口をきくなどの意が生じてきて、斡旋(あっせん)や周旋の意、更にはめんどうをみるの意へと展開したとする。「世話をかく」や「世話を焼く」、「世話を病む」などという表現などからは、その可能性も十分考えられる。

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