デジタル大辞泉
「世話」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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せ‐わ【世話】
- 〘 名詞 〙
- [ 一 ]
- ① 世間の人がする話。世間のいいぐさや慣用のことば。また、世間の人が用いる日常の話しことばや俗語をいう。
- [初出の実例]「わくら葉と云事も世話にいへり」(出典:言塵集(1406)二)
- ② 現実的、日常的、または庶民的なこと。通俗。
- [初出の実例]「玄関迄せわのきこへる御小身」(出典:雑俳・川柳評万句合‐明和四(1767)義五)
- ③ 「せわもの(世話物)」の略。
- [初出の実例]「筋は骨、仕組は肉、せりふは皮なり、〈略〉世話は皮薄きがよし」(出典:戯財録(1801)三都狂言替りある事)
- [ 二 ] ( 「せわしい(忙)」の「せわ」からか )
- ① ( ━する ) めんどうをみること。手数をかけて苦労すること。人のために尽力すること。また、それによるやっかい、手数。
- [初出の実例]「貴殿の御世話(セハ)には及ばず、拙者料理いたして薬喰の望」(出典:浮世草子・武道張合大鑑(1709)三)
- ② ( ━する ) 間に立ってあっせんすること。周旋すること。また間にいて差配すること。
- [初出の実例]「それあなたへとのおせはにぞ、力をよばずめのとはかさを義経(ぎけい)にまいらせけり」(出典:浄瑠璃・凱陣八島(1685頃)一)
- 「彼は突然芸者を世話してくれと言った」(出典:雪国(1935‐47)〈川端康成〉)
- ③ ( 形動 ) 手数がかかって苦労なさま。やっかいであるさま。めんどうであるさま。
- [初出の実例]「いかいせわで御座るが」(出典:咄本・軽口御前男(1703)五)
- 「兎角に故障がございまして〈略〉なんだかモウ世話(セワ)なものでございますよ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
世話の語誌
( 1 )[ 一 ]と[ 二 ]とを別語源の語とする考えもある。「書言字考節用集」(一七一七)には、「世話(セワ) 下学集風俗之郷談也 世業(セワ)」とあり、[ 一 ]とは別に「世業」という漢字表記も示されており、別語意識がうかがわれる。[ 二 ]の場合も「世話」と表記するのが一般的であるが、これは同音語の[ 一 ]の表記を利用したことになる。
( 2 )一方、この[ 二 ]を[ 一 ]の用法の拡大としたものと見る説もある。世間の評判や噂話の意から、人のためにことばをさしはさんだり、口をきくなどの意が生じてきて、斡旋(あっせん)や周旋の意、更にはめんどうをみるの意へと展開したとする。「世話をかく」や「世話を焼く」、「世話を病む」などという表現などからは、その可能性も十分考えられる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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