ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロイズ・オブ・ロンドン」の意味・わかりやすい解説 ロイズ・オブ・ロンドン リチャード・ロジャーズの設計により,1986年にイギリスのロンドンに建てられたロイズ保険会社本社ビル。ノーマン・R.フォスター設計の香港上海銀行と並んで 20世紀建築表現上での技術表現の到達点とされる。単純な直方体の内部に巨大なアトリウムをもたせ,その外部には,6基の塔が不規則に配置されている。ここでは,メカニズムを露出させることによって人々にある種の技術ロマンチシズムを与えることで,技術の枠組みを文化的創造へと昇華させている。ロジャーズは,1967年にフォスターと共同で今日のハイテクスタイルの元祖ともいえるリライアンス・コントロール工場を設計,1977年には,ジョルジュ・ポンピドー国立芸術文化センター(ポンピドー・センター)をレンゾ・ピアノと共同で設計している。ともすれば一様なハイテクスタイルでくくられてしまうことが多い 3人の建築家の差異は,ロジャーズがみずからはほとんど図面やスケッチを描かず,人をうまく組織することによって全体を構成していくというプロセスがほかの 2人と比べて突出していることであろう。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by