アトリウム(その他表記)atrium

翻訳|atrium

デジタル大辞泉 「アトリウム」の意味・読み・例文・類語

アトリウム(atrium)

三方または四方建物で囲まれた中庭。吹き抜け。特に、ホテル高層建築などの建物に囲まれた大規模な中庭をもつ建築様式

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精選版 日本国語大辞典 「アトリウム」の意味・読み・例文・類語

アトリウム

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] atrium ) 建築用語。前室または前庭。古代ローマの住宅における玄関部の広間初期キリスト教時代のバシリカ教会堂の前庭など。

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改訂新版 世界大百科事典 「アトリウム」の意味・わかりやすい解説

アトリウム
atrium

古代ローマ住宅の玄関ホール役割を果たした中庭,あるいは初期キリスト教のバシリカ式教会堂の回廊で囲われた前庭,後には,広く玄関一般を指すようになる。ポンペイなどで発掘された古代都市住宅は敷地全体に高い壁をめぐらし,各室はすべてアトリウムと広い裏庭(ペリステュルム)の二つの中庭を囲んで配置される〈コートハウス(中庭式住宅)〉の形式をとっており,アトリウムは家の中心となるべき空間であった。ウィトルウィウスによれば,この空間は規模,屋根有無などによって五つに分類されるというが,そのほとんどはポンペイなどで実在が確かめられる。一方,教会堂のアトリウムは,東方教会起源と見られ,屋外説教や交易の場などさまざまな用途にあてられたが,ロマネスク時代にはほとんど造られなくなる。
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日本の企業がわかる事典2014-2015 「アトリウム」の解説

アトリウム

正式社名「株式会社アトリウム」。英文社名「Atrium Co., Ltd.」。不動産業。平成4年(1992)「株式会社エー・アール・マネジメント」設立。同10年(1998)「株式会社アトリウム」に社名変更。本社は東京都千代田区内幸町。クレディセゾン系。主力は不動産流動化事業。債権回収サービス・不動産ファンド運用・不動産融資保証も手がける。東京証券取引所第1部旧上場。平成21年(2009)クレディセゾンによる完全子会社化にともない上場廃止。同24年(2012)会社分割により不動産再生事業を新会社「株式会社アトリウム」に承継し、「株式会社アトリウムリアルティ」に社名変更。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アトリウム」の意味・わかりやすい解説

アトリウム
atrium

建築用語。 (1) 古代ローマの住宅の柱廊をめぐらした中央広間。屋根の中央部に方形の開口があり,屋根の勾配に沿って雨水はこの開口から真下の池に注ぐ。 (2) 初期キリスト教時代のバシリカの柱廊をめぐらした前庭。 (3) 中世の王侯の居館の主要部で,盛大な歓迎会などを行なった場所。 (4) 近代ではオフィス・ビルなどにつくられる巨大なガラス張りの吹抜け空間。完全な人工環境としてここに緑を配し,各階の廊下などがこれに面するように設計される。

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百科事典マイペディア 「アトリウム」の意味・わかりやすい解説

アトリウム

古代ローマでは住宅の玄関ホールの役割を果たした中庭。ポンペイなどにその遺跡がある。また初期キリスト教の教会堂の回廊で囲まれた前庭を指すこともある。現代ではホテルやオフィスビルなどの大規模な建物に設けられた,屋根や壁面がガラス張りの中庭のような空間をいう場合が多い。

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「アトリウム」の解説

アトリウム【atrium】

➀古代ローマの都市住宅で、中央部があいた屋根をかけた広間。のちにキリスト教会での回廊付きの前庭や、玄関ホールをいうようになった。
➁オフィスビルやホテルなど、比較的大きな建物の内部に設けられた開放的な空間のこと。ガラス屋根の吹き抜けになっていることが多い。

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世界大百科事典(旧版)内のアトリウムの言及

【心臓】より

…心臓の外表面は共通の心外膜でおおわれるが,内腔面は左心と右心につきそれぞれ1葉の心内膜endocardiumが心房,房室弁,腱索,心室,動脈弁をおおい,それはさらに心臓に出入りする血管の内皮に連なる(図6)。
[左右の心房]
 左右の心房atriumにはそれぞれ前方内側寄りに張り出す心耳がある。これらは心基部の前上から出る大動脈と肺動脈を左右から取り囲む。…

【住居】より

…もっとも有名な例がポンペイの住居址群(前2世紀ころ~後1世紀)であり,類似の形式は地中海沿岸の各地に見いだされる。ドムスdomusと呼ばれる大型の中庭型住居では,街路に面した入口が二重扉になっていて安全を確保し,そこからアトリウムと呼ばれる第1の中庭にいたる。アトリウムは周囲を屋根に囲まれた小型の中庭で,中央に雨水を受ける浅い池が設けられる。…

【ローマ】より

…【小林 雅夫】
【日常生活】

[住居]
 古代ローマの都市住宅は一戸建邸宅(ドムスdomus)と共同住宅(インスラinsula)の二つに大別される。典型的なドムスでは,玄関に続いて天窓を有する中央広間(アトリウム)があり,左右には開放された翼室(アラala)が配されていた。元来はこのアトリウムが家の中心で,寝室,食堂などもそのまわりにあったが,やがて奥庭部分が列柱廊式になり,それを囲んで寝室,食堂,厨房,浴室などが配されて,接客用のアトリウムに対し,ペリステュリウムperistyliumと呼ばれるこの列柱廊を含んだ一画が居住の中心となった。…

【ローマ美術】より

…これらはいずれもエトルリアの神殿にみられた特徴である。ローマの住宅は玄関(ウェスティブルムvestibulum)をはいると広間(アトリウム)があり,正面には主人のための主室(タブリヌムtabulinum,tablinum),左右には個室(クビクルムcubiculum)がならんでいる。食堂(トリクリニウムtriculinium)は主室の並びに設けられる。…

※「アトリウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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