日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロコガイ」の意味・わかりやすい解説
ロコガイ
ろこがい
loco
[学] Concholepas concholepas
軟体動物門腹足綱アクキガイ科の巻き貝。チリ、ペルーの特産種である。ロコは産地での俗称。コンコレパスともいう。また和名はアワビモドキともいい、市場の一部ではチリアワビと称されたこともあるが、アワビのようにミミガイ科ではない。殻は厚く、殻口が広く開くため、全体はほとんど皿形。螺層(らそう)のごく一部が右に寄ってみえる。殻表は紫褐色で、放射肋(ろく)が多数あるが、成長脈で切られて粗い。殻口は卵円形で、外唇は放射肋の末端のため多少ぎざぎざし、水管溝は切れ込んで、その上部に短い牙(きば)状突起がある。内唇から軸唇は一続きになっている。角質の蓋(ふた)は褐色で半月形。もともと南アメリカで食用となっていたが、最近は日本にも多量に輸入され、もっぱら加工食用に用いられている。
[奥谷喬司]