ロッキードF-117Aナイトホーク(読み)ロッキードエフいちいちななエーナイトホーク(その他表記)Lockheed F-117A Night-hawk

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ロッキードF-117Aナイトホーク
ロッキードエフいちいちななエーナイトホーク
Lockheed F-117A Night-hawk

アメリカ合衆国が開発した,史上初のステルス戦闘機湾岸戦争劈頭,レーダに映りにくい特性をいかしてバグダード中心部まで侵入,イラク軍司令部に爆弾を命中させた。従来のステルス機機体に曲面部や電波吸収材を使ってレーダ波の反射を防いでいたのに対し,レーダ波を熱に変える材質と平面パネル構造で乱反射させる方式を採用,これまでの戦闘機とはかなり異なる外観となった。開発は 1975年からアメリカ空軍向けにロッキードが行ない,1981年6月に初飛行,1982年8月から実戦配備されたが,アメリカ国防省がその存在を認めたのは 1988年 11月だった。生産数は 59機。湾岸戦争では 42機が参加,1機も撃墜されることなく全戦略目標の 40%を破壊したという。乗員1,全長 20.08m,全幅 13.20m,総重量 23.8t,最大速度マッハ1,航続距離 2000km。武装は爆弾 800kgを搭載する。 (→ステルス技術 )

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