日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロマショーフ」の意味・わかりやすい解説
ロマショーフ
ろましょーふ
Борис Сергеевич Ромашов/Boris Sergeevich Romashov
(1895―1958)
ソ連の劇作家。俳優の家に生まれる。モスクワ大学で学んだのち、1916年から俳優、舞台監督として活躍、かたわら戯曲を手がけ、1924年国内戦に取材した戯曲『コサック大尉フェージカ』で本格的創作活動に入る。鋭い風刺、題材の劇的構成、性格描写の的確さを特色とするが、とくにネップ時代の実利主義者を痛烈に批判した『空気入りピローグ』(1925)はソビエトで最初の風俗喜劇として注目された。ほかに戯曲『火の橋』(1929)、『兵士たち』(1933)、『大いなる力』(1947)などがある。
[柳 富子]